日本の伝統に思うこと

竹槍でB29と戦えるのは本当?今の日本人は「気」をどこまで知ってる?

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おばあちゃんによると、戦時中に竹槍の授業があってB29を竹槍で墜落させようとしていたらしいのですが、 昔の人々は本当にそれでアメリカを倒せると信じていたのでしょうか?
(yahoo知恵袋の質問より。http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1019513360)

現在、竹槍でB29と戦うことが可能だと真面目に信じてる人はいないと思います。
やけくそになった日本人が、ヒステリーまじりに行ったこと、負け戦での破れかぶれぶりの象徴だというのが多くの人の認識でしょう。たしかにそういう面もあったと思います。

しかし、これから書く話を思い出すたび、思うのです。
もしかしたら、当時の日本には、本気で「可能だ」と思ってた国民が、少なからずいたのでは?と。

広岡達朗が語った不思議な話

学生時代、私は元西武ライオンズ監督の広岡達朗さんのファンで、雑誌などに掲載された記事を見かけるたび読んでいました。
調べてみると広岡さん、今年84歳になられたようですね。
当時読んだ中に、今も忘れられない不思議な話があります。
もう30年近く前の話で、記録もつけていないのですが、記憶をたどると以下の内容です。

広岡さんが監督をしていた頃、チームに秋山幸二選手がいました。

バッティングに悩んでいた彼は、意外にも、ある武術家のところに行って、指導を受けるようすすめられました。

用意されたものは一抱えもある大きな稲わらを束にしたものと、剣です。
武術家は、その剣で、稲わらの束を斬ってみろというのです。

秋山氏はやってみましたが、まるで成功しません。稲わらの束の方が刀より強いのです。

そこで秋山氏は指導を受けます。

剣の構え方でしょうか?身体の重心の取り方でしょうか?

それは思いもよらないものでした。

―――集中してれば「斬れる!」と思う瞬間が必ず来る。そのときに斬れと。

秋山氏は言われたとおりにしてみました。

そして本当にその瞬間がやってきました。

たった一振りで、まるで刃が立たなかったわら束が、見事に真っ二つになりました。

以降、秋山氏はホームランバッターとして大活躍します。若い方は現在50代半ばの秋山氏を知らないかもしれませんが、華々しい経歴はwikiでも確認できます。秋山というプロ野球選手は他にもいますが、秋山幸二氏のほうです。

このとき、秋山氏がどのような流派の武術指導を受けたのか、当時の記事にも記載がなかったと思います。
今回、この話について書くために、日本の武術関係のサイトを検索してみましたが、似たような話は見つかりませんでした。

一番近いと思われるのは、合気と呼ばれるもののようです。

しかし、「合気」で検索してみても、
「気」に満ちたときの本人の脳波に何が起きるとか、
敵側の心理への影響がどうだとかいった
合気の科学的根拠や理屈を書いているサイトばかりが見つかりました。

秋山氏の斬った相手は敵ではないですし、ポイントは「斬れると思った瞬間」ですから脳波とかの問題じゃないですよね。

「斬れると思った瞬間」を伝える武術の流派は、今の日本には、残っていないのかもしれません。

何もせず、待ち、ただ感じる――確かに、早く結果を欲しがる現代人からは、受けがよくなさそうな教えです。

もっとも、私が知らないだけで、どこかでしっかり脈々と受け継がれているのかもしれません。だったら素晴らしいですけどね。

 

kusu

マニュアルどおりの良さしかわからなくなった日本人

私が子供時代に見た、30-40年前の日本人と、今の日本人。
比べると、目に見えないもの、定義されてないものを評価する力が衰えてる気がします。
美術品の駄作と名作の差を、自力で見分けられる人が減ってる感じでしょうか。

ノーブランドものの、良し悪しがわからない・・・

そうなると、結局、現在、問題視されている肩書社会になっていくしかないわけです。

 

整形手術の流行もその一端かもしれません。
「目は二重瞼じゃなきゃいけない、顔は小さくなきゃいけない、鼻の孔が上を向いていてはいけない。違うなら自分は美しくなれない」→整形する。
まるで世間が決めた教科書通りのパーツがそろってないと、美しいと認めてもらえないと思ってるかのようです。美の捉え方が短絡的ですね。整形好きで有名な、お隣の国を思わせます。

現在、ドラマの主演級にある若手女優や俳優にも整形手術の噂はよく流れています。欧米人とのハーフ、クォーターという人も増えてますね。
みなさん、二重瞼で小顔で文句のつけようのない顔の人ばかりです。
しかし、若い頃の木村拓哉さんや松嶋菜々子さん、昭和期の石原裕次郎さんや山口百恵さんのような、一世を風靡できる大人気スターは、なぜか出てきません。

人間の感性も工業製品化したのか

過去、日本に旅行に行った中国人たちによる日本のグルメ関係の情報を寄せるサイトを読んで、心にひっかかった感想があります。

日本に来たばかりのときは、とても感激する。
どこの店も清潔だし、出される品はどれも見た目がきれいで、おいしい。
まるで夢のように感じる。
でも、一か月もいると次第に飽きてくる。どの店のメニューもおいしいけれど、深みがない

残念ながらソース元は分からなくなってしまいましたが、こんな内容でした。

かつての日本人はB29と竹槍で戦えると思えるだけの、枠にとらわれない何かを持っていたのでしょう。
しかし、より科学的、統計的、合理的な方向を目指していくうちに
人間自体が、ベルトコンベアに乗せられ滅菌室で造られた工業製品みたいになってきてしまった気がします。

なんとか、過去の日本独自の感性を取り戻していきたいですね。若い世代に伝えられないままなら、日本の先人の持っていたものは、そこで終わってしまいますから。

 

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