昭和の頃、ジプシーという言葉が、現在の「ノマド」と同じような意味で使われていました。
日本人はジプシーのことを、ヨーロッパの放浪民と認識している人が多いかと思います。歌劇で有名な踊り子のカルメンもジプシーだったといわれています。
しかし同じ流浪の民であるユダヤ人に対するような裕福なイメージをジプシーに持つことは、昭和の時代からありませんでした。
日本のwikiで検索すると以下のような文があります。
明治時代の日本の新聞ではジプシーが「西洋穢多」と報じられたことがある
西洋穢多。なかなか強烈な言葉です。びっくり。
ジプシーはもともとはインド由来の民です。千年ほど前にヨーロッパに移住してきたといわれています。だから肌が浅黒いんですね。
今回の記事では、現在、ジプシーに代わる一般的な名称として使われているロマ族という名称ですすめていきます。
ロマ族/ジプシーはヨーロッパのどこにいるの?
ロマ族はヨーロッパ全域に存在するといわれています。特にスペイン、フランス、ロシア、東ヨーロッパ、イギリスに多いようです。
ジプシーという呼び名の由来は、8-10世紀にインドからヨーロッパに進出したとき、ヨーロッパの人々にエジプトから来たのだと思われたためだそうです。
しかし実際はエジプトではなく、インドのパンジャーブ地方に由来する民です。
現在の日本ではジプシーという言葉は、差別用語として使われなくなっています。
どんな文化や特徴があるの?
ロマ族はサンスクリット語に方言がまじって発展したロマ語を話します。
宗教はインドからペルシャを経てバルカン半島に移住した間に、多くがイスラムやキリスト教に改宗しています。しかし、子供の誕生時や葬儀の儀式などにはヒンドゥー教の文化が残っています。
家庭は家父長制で、未婚女性においては処女であることが家の名誉として重視されます。こうした面もインド文化に近いですね。
その文化の延長なのか、花嫁が12歳になると親の決めた相手に誘拐させて強制的に結婚させる花嫁誘拐の風習があります。この風習は人身売買の犠牲者になるリスクも高いといわれています。
どんな差別を受けてきたの?
千年以上前、ヨーロッパに入ったときからロマ族は差別されていました。
その迫害は言葉や服装に対する規制から追放にまで及びました。
15世紀はじめからは多くの労働者を必要としていたハンガリーやルーマニアの貴族により奴隷化されました。
ナチスによる民族根絶対象にもされました。ナチスはロマ族もまた劣等民族と位置付け、収容所に入れ、強制労働をさせたり、殺したりしました。
現在も差別されてるの?
「基本的人権のための欧州連合機関」という組織によると、ヨーロッパにいる1000~1200万人いるといわれるロマ族のうち、三人に一人は失業者、90%は貧困者とされています。
多くのロマはキャンプやキャラバンで暮らし続けており
現在も社会の中心に入ることはできません。
行政による差別も続いており、フランスでは政府による強制退去が行ったことが問題になりました。
ギリシャでは2005年の時点でロマ族の子供と他の子供は学校で違う校舎に分けられていたといいます。
またスロベキアでもロマ族の子どもが人種隔離されていることがアムネスティによって報じられました。
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北は北欧から中東、ロシア、そして南はインドにまで至るところに住む、コーカソイドと呼ばれる人種のひとたち.
インドからきたロマ族も、彼らが経てきた中東の地の民も、差別してきたヨーロッパの民も、全てみな、このコーカソイドです。
先進国から未開国まで広く分布する、さまざまなコーカソイドを見て、
とにかく彼らに仲間入りして白人に近くなりたいと思う日本人・・・
日本人でよかったと思う日本人、
さまざまな人がいると思います。
ですが、親から子へと必死で命を守りつないできた私たちの先祖、日本人の先祖から受け継いだ血は変えられません。
ヨーロッパ人がヨーロッパ人の子孫であり続け、ロマ族がロマ族の子孫であり続けるように。
※おすすめ:ロマ族がロマ族の文化を紹介しているサイト
http://english.svenko.net/nomad/trip3.htm
http://edition.cnn.com/2013/10/21/world/europe/roma-discrimination/
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