世界の中の日本 日本人の知らないアメリカ

アメリカに住む日系人 他アジア系と違う点は?

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読売系列ネットの発言小町のスレッド「海外にて。日本人の敵は日本人?と思うとき 」に投稿されたいくつかを以下に紹介します。

2010年のものですが、"いかにも日本人らしい"逸話にあふれてると思います。

路上で日本人らしい人(主に若い女性、私は中年女・・・)とすれ違うとわざとらしく(「ふんっ!」という感じ)顔をそむけたり、視線をはずしたり、あるいは睨み付けられることがある。
(略)
他のアジアの人は目が合えば会釈・ニコッとしてくれる場合が多いです。

そこは日本で憧れる人の多いオシャレな街です。そのステキな風景に自分以外の日本人がいるのがガマンならないのでしょうか?

通りを歩いていて、遠くから強い視線を感じたので、知っている人かなと思ったら、
会ったことのない日本人でした。
日本人だから親近感を持っているのかな?と思ったら、すれ違いざまに、フンッと顔を背けられました。

こちらでは白人と結婚した日本人女性はアジア系その他と結婚した人に対して優越感丸出しです。
(略)
自分の姿は鏡を見ないとわからないもの。

だからオシャレな街で、白人に溶け込んでいると錯覚している時に
同じ日本人の姿を街で見て、自分が日本人であることを再確認するのが嫌なんだと思います。

海外駐在>配偶者が白人>配偶者が有色系>配偶者が日本人>留学生

こんな風な階級が出来ているみたいです。
もちろんこの中に、職業差別が存在します。

私は現地で知り合った夫が日本人(永住権保持者)なので、「外国人にも見向きもされなかった可哀想な女が、同じような可哀想な日本人男とくっついた」と思われています。実際そう言われたことがあります

日本にいた時に人間関係でとても苦しんで逃げるように日本を出たので、アメリカに来てからは日本人とは一切お付き合いしてません。アメリカ人やその他の外国人の中にいると、本当に清涼な風の中で深呼吸をしているように気持ちが良いです

引用元は基本的にこんな話ばかりです・・・しかも投稿量は5ページに渡っています。

外国人といかに近しいかによって、日本人の間でランクがあるとか・・・まるで植民地時代のフィリピンみたいですね。
(関連記事:「フィリピン人は2種類いた!日本に来てるのはどっち?」)

発言小町が引用元では女性の意見ばかりだと思われるかもしれません。しかし実際のところ、仕事以外の留学などの理由で欧米に出る日本人の大多数は女性です。

サイトの利用者の年齢層からして、主なレス主は2010年当時、30代~60代だった人たちでしょう。バブル期~90年代の海外ブームを知る世代だと思われます。

 

・・・・今の日本社会では、中国や韓国といった他のアジアに関連した情報にふれると愛国心がわきあがる人が多いようです。

でも、私は、上記に引用したような意見をみるときほど「愛国心ってなんだろう?」と思うときはありません。

 

過去記事「バブル期に日本は何をしくじった?~孤独なコスモポリタン」でも触れましたように、バブル期以降、海外に出た欧米志向の人の中には、同じ日本人と親しくなりたがらない人がよく見られます。

この発言小町の引用元をみても、日本人や日系人同士で横のつながりが強い関係を築きたがるのは、現地歴が長い高齢の方です。あと、もともと外国語が苦手で、夫の仕事等で海外に来て、同じような人と交流したい人などでしょう。

 

アメリカ日系人の特徴は?

同郷人を避けたがる日本人/日系人が増加した結果、戦前から築かれてきた日系人コミュニティはどうなっているのでしょう?

ちなみに日系人とは、日本民族またはその血を引くけれど、外国の国籍を持っている者を指します。
日本で生まれ育っても、アメリカに移住し、アメリカ国籍を取得した人はアメリカ日系人になります。日系一世ですね。

 

世界で一番日系人が多い国は戦前の大量移民の影響が大きいブラジルですが、その次に多いのはアメリカです。今でもアメリカ移住を夢見る日本人は多いですね。

そのアメリカで最も日系人の多い州、カリフォルニアにある、在ロスアンゼルス日本国領事館のサイトをみると、アメリカ日系人の現状はこんな感じのようです。

比較的若い世代の日系人の中には、(日系団体のような)団体には属さずコミュニティ活動に関心を持たない人も多い
(略)
日系人の若い世代は、他のアジア系アメリカ人との連携を深めており、いわゆる「アジア系アメリカ人」としてのアイデンティティを強めつつあるとも言われます。

・・・思ったとおり、といったところでしょうか。

現在、アメリカで最も多いアジア系は中華系です。アジア系全体の23.7%にのぼるとされています。次いで、フィリピン、インド、ベトナム、韓国・・・日系は6番目、7.8%だそうです。

中華系の多さは日本人でも予想できたことでしょう。しかし、1910年~1960年まで、アメリカ合衆国で最も多いアジア系は日系だったそうです。

ベトナム系が多いのはベトナム戦争の影響ですね。敗戦後、南ベトナムの住人の多くがアメリカに移住しました。

 

過去記事「アメリカの調査機関が世界に広めてる日本人像」でも取り上げたピュー・リサーチ・センターというアメリカの大手調査機関があります。
ピューは、これら人口の多いアジア系を調査、比較し、結果を公表しています。

日本からの移民、日系人に見られる特徴は何でしょう?興味深いのは以下の二点です。

 

人種をまたいだ結婚が多い

日本人/日系は、アジア上位6カ国に根ざす民のうちで、アジア系以外と結婚する率が最も高いです。その割合は55%にのぼります。

半数以上の人が白人など異人種と結婚してるんですね。

同じ日系/日本人同士で結婚してる割合は36%です。
中国系、韓国系では、こうした同じ民族間での結婚は65%、61%になります。
インド系、ベトナム系では80%近いです。

アジア系は移民先でも、同じ民族同士で結婚するケースが多いんですね。韓国までそうだったなんて驚きです。

一方、日系の55%に次いで、異人種との結婚が多いのはフィリピン系の43%です。

これは、ひょっとしたら、日本とフィリピンでは、国際結婚を理由にアメリカに移住するケースが多いということなのかもしれません。

 

日本語を話せなくなる人が多い

アメリカ生まれの日系人、いわゆる2世以降で日本語の会話ができる割合は18%です。これはフィリピン系の13%に次ぐ低い割合です。

異人種との結婚の割合が高い日系とフィリピン系。伝統的な言語を話せなくなってしまう人の多さもそこに起因しているのかもしれません。

一方、アジア系のうちで言語を維持している割合が高いのは中華系です。2世以降の44%で中国語での会話が可能だそうです。

 

日系人に最も近いのはフィリピン系?

日系人とフィリピン系の共通点はこれだけではありません。

日系人はハワイに多いですが、フィリピン系もまたハワイを好み、今や日系人以上の人口を占めてもいます。
(関連記事:「ハワイに異変!白人の次に多いのは日系でも中華系でもなく、なんと」)

また、amerediaというサイトによるとアメリカの日系人は、アジア系で最大規模であるフィリピン系に次ぐ規模のキリスト教コミュニティを持つ民だそうです。宗教も日系とフィリピン系は近い状態のようですね。

母国を見ても、日本では、戦後以降の教育を受けた世代を中心に親米意識が強い人が多いですね。
一方、フィリピンもピューリサーチの2014年の調査によると、世界で一番親米的な国なんだそうです。アメリカに好意的なフィリピン人の割合は92%にのぼるとされています。
ドゥドルテ大統領の登場に世界で一番驚いたのはアメリカかもしれませんね。

 

外見の相似からか、なんとなく日本人は自分たちを中国や韓国の民と比較してしまうことが多いです。

でも、現在の日本の民と最もライフスタイルが近いのは、もしかしたらフィリピンの民なのかもしれません。

 

 

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