世界の中の日本

海外からみた日本人によるアイデア商品

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英語圏wikiには「日本人による発見、発明品のリスト(List of Japanese inventions and discoveries)」
というページがあります。

もちろん日本に限らず、イギリス、アメリカ、中国、韓国など、あらゆる国の発明品を羅列したページがあるんですが。

今回はその中から、日本で発明された、日本であまり知られてなさそうな商品をとりあげてみます。

 

QRコード

QRコードを発明したのは日本企業です。

QRコードとは、1994年にデンソーの開発部門(現在は分離しデンソーウェーブ)が開発したマトリックス型二次元コード である。
QRはQuick Responseに由来し、高速読み取りができるように開発された。

日本語wikiより

中国のネットを利用していると、携帯使用前提でQRコードを表示してくる画面がとても多いです。
あの技術、日本発祥だったんですね。もっと国内でちやほやされてもいい気がするんですけど

 

修正テープ

百円ショップでも売られている一般的な文具である修正テープ。1989年に消しゴムメーカーのSeedという会社が発明しました。

様々な試行錯誤を繰り返して開発に3~4年費やし、平成元年にようやく商品化することができました

Seedホームページより

90年代に普及した文具という印象でしたが、日本発だったんですね。その前は修正液が主流でした。

 

ゲルインキボールペン

使いやすいゲルボールペンも日本の発明です。

水性ボールペンのインクにゲル化剤を添加したゲルインクボールペンは、日本で発明され1984年に発売した筆記具で、水性ボールペンのようになめらかに書け、滲まないという特長があります。

三菱鉛筆ホームページより

 

ビニロン

現在、多くの工業製品で使用されている合成繊維、ビニロン。これも日本の発明です。

京都帝国大学の桜田一郎および共同研究者の李升基、大日本紡績(現・ユニチカ)の川上博らによって1939年に初めて合成された。ナイロンに2年遅れで続き世界で2番目に作られた合成繊維であり、日本初の合成繊維である。

日本のwikiより

ちなみにこのビニロン、焼却してもダイオキシンや塩化水素などの有害ガスが発生しないんだそうです。

 

自動式電気釜

これは知ってる方のほうが多いかな?
ご飯が炊けるとスイッチが切れる自動式電気釜を最初に発売したのは、近頃、倒産危機と話題になっている東芝です。

自動式電気釜の発明者は当社の協力会社である株式会社光伸社の三並義忠社長である。1952(昭和27)年、当社家電部門の松本部長から自動式電気釜の相談を受け、開発に着手した。1955(昭和30)年に完成

東芝未来科学館 より

電気釜は日本のみならず、お米を主食とするアジアで大人気ですね。世界のお米文化に非常な貢献をした商品といえるでしょう。


 

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さて、この日本の発明、発見を乗せた英語wikiページ、冒頭にこんな文章があります。

日本人はかなりの分野で貢献しているものの、この国が決定的な役割を果たしたのは1970年代以降のデジタル革命である 多くの革命的で広汎的な電気技術、ロボット技術が日本企業や起業家たちによって導入された。電気技術によって主に形成される日本のポピュラーカルチャーは、若い欧米人たちにかなりの影響力をもっている

うーん、英語圏からみた日本の技術の概要って、こんな感じなんですかね。

確かに、戦前までの日本の功績は発明よりも発見が多いように見受けられます。

そして、決定的な役割にいたのは1970年代のデジタル革命――つまり半世紀近くも前だったと書かれるように、21世紀になってからの日本の発明の記録は、2006年のwiiあたりを最後に有名なものがないようです。

 

・・・日本人の中には、日本のロボット技術――アンドロイド(人型ロボット)に今後の希望を感じてる方もいるかもしれません。某携帯電話会社が開発した人間とコミュニケーションできるロボットのことが、よく話題になりますね。某大学の研究室が発表している人間によく似た動作をする女性型ロボットのことも、よくニュースになります。

ただ、これは私のいち見解ですが・・・
西側先進国ではキリスト教の影響?なのか、あまりアンドロイドの人気がなく、開発も軍事用程度でしか行われてないようです。
日本の玩具会社が作るロボット猫、ロボット犬のような商品も、キリスト教圏では、あまり受けがよくないように見受けられます。
ファービィみたいに実際の生命体と完全に違うデザインなら大丈夫なのかもですけど

 

そんな事情のためか、現在、アンドロイド技術で日本の研究と並んで有名なのは、ハンソンロボティクスという香港の会社の研究です。

ハンソン・ロボティクス社のホームページ

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現在、日本国内では、日本の衰退は中国や韓国をはじめとするアジアに技術を渡してしまったためだという意見を、よく目にします。

確かにバブル期~2000年代初めごろまで、日本人は割とおおらかにアジアに対して技術等のコピーを許してきました。

――なぜ、そんな「お人よし」なことをしたのか?

当時を知る一人としての印象だと、日本自体が戦後、アメリカから多くのコピーを許してもらい繁栄したという歴史的経緯を、アジアと日本の関係に重ねていたという面があったと思います。

けれど一番の理由は、このころの日本人には、たとえ古い技術やアイデアを渡したとしても、自分たち日本人なら次の新しいものを必ず開発できるはずという漠然とした自信があったからなのです。

 

しかし、ただのアイデアじゃない、ヒット商品につながるアイデアを思いつく力は、どういうわけか2000年を越えたあたりから先細りになっていきました。

日本人は発想力豊かな民だという90年代までの実績にすがって、数多くのアイデア商品が発売されることは、されました。

しかし、突飛なもの、不必要な機能がついただけのものが多く、売上にはあまりつながりませんでした。

しかも今や、そうした突飛な過去の日本の商品をまとめた動画が英語圏で投稿され、youtubeなどで、あまりポジティブでない話題を集めている状態です。
(→参考動画リンク:「日本の奇怪な10の発明品 (10 Bizarre Japanese Inventions)」
※日本国内ではあまり知られてない奇抜な日本商品を英語で紹介してるyoutube動画です。
現在450万回近く再生されています。類似の動画もたくさんあります)

 

このようにアイデア力が衰え、日本の商品があまり人気を集めなくなり、経済的に苦しくなっていった。
結果、過去にアジアに流出させた技術を惜しむ声が強くなり、今のような世論になった・・・私としては、こうした印象です。

もし、90年代までのように次々と新しいヒット商品が出る状態が続いていたら、おそらく日本の世論は今とかなり違っていたでしょう。

 

・・・今、世界で日本を代表するものといったら先進技術やアイデア商品よりも、アニメです。
電気街だったはずの秋葉原が、90年代後半から次第にアニメ、コスプレ街になっていってしまった変化が、国全体で起こったかのような状態です。
(参考記事:Made in Japan品質はいつまで続く? 君津市のトンネル事故に思うこと

その日本アニメも近年の作品は恋愛や同性愛をテーマにした作品、成人向けの作品が人気です。

そのため日本の人気作を海外進出させても、成功する場は主に中華圏です。

大きな利益を見込める欧米ではハイティーン以上がアニメを見る文化がないためか、新しい作品ほど苦戦しています。

 

―――かつて世界中から憧れられた日本人のアイデア力

それは、なぜ、今こうして衰えていったのでしょうか・・・

→続き「なぜアメリカ人やイギリス人はイノベーション力が豊かなのか」では、その謎について考えてみたいと思います。

 


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