別記事「バブル期に日本は何をしくじった?~結婚式の変化が生んだもの」 で日本が豊かだったバブル期~90年代、ハワイで結婚式を挙げる日本人カップルが多かった過去について触れました。
今でも日本人にとってハワイは人気の海外旅行先です。アジア旅行と較べて旅費は高いですが、行きたいと思う人の数だけなら、おそらく一番人気ではないでしょうか?
富裕層や著名人がハワイに別荘を購入したという話は、頻繁に出てきますね。芸能人が年末年始にハワイに旅立つことが増えたのはバブルが起きた80年代でしたが、よもや恒例行事です。
ハワイで日本語が通じやすいのは日系人のおかげ
なぜ日本人はハワイに惹きつけられる人が多いのでしょう?
憧れのアメリカ合衆国の一部であること、明るい太陽とビーチを持つ日本とは違う風土、英語圏にも関わらず多くの場面で日本語が通じる点などでしょうか?
ハワイで日本語が通じやすいのは、日系人が多いためですね。
日本人が初めてハワイの地を踏んだのは1868年。明治維新と同じ年です。ほとんど幕末ですね。150人の契約労働者が渡航したそうです。
以降、95年までに3万人近い労働者がハワイにやってきました。彼らの出身地は主に山口県、広島県、福岡県、熊本県だったそうです。
その後も日本人の移民は増えていき、1924年にアメリカが東アジア人の移民を禁じた時、その数は一世、二世あわせて12万人にのぼったとされています。
このような歴史を経て、日系人は長いことハワイで白人に次ぐ人口を持つポジションにありました。
多くの日本人旅行者にとってハワイが居心地の良い土地だったのは、そうした背景があったからでしょう。
しかし、現在、ハワイで一番多いアジア系は日系人ではなくなっています。ここ10年あまりの間に急増した他の民族グループがあるのです。
そう聞くと、日本人の中には経済繁栄を背景にして中国人の移住者が増えたのだろうと予想する人が多いのではないかと思いますが・・・実際は、それはフィリピン系です。
ハワイを変えたフィリピン系移民
ハワイのニュースサイト、ハワイ・ニュース・ナウ(hawaii news now)によると
2000年から2010年の間にハワイの白人の人口が14%、
フィリピン系が15%増えたのに対して、
日系人は8%減っています。
そして2010年の統計によると、フィリピン系が19.7万人、日系が18.5万人となり、フィリピン系>日系という逆転がおきているのです。
混血の人口をみても、フィリピン系の血を引く混血は34万人、日系の混血は31万人と、フィリピン系の人口のほうが上回っています。
研究者はその原因として、日本人の移民よりもフィリピン人の移民が増えていること。そして日系人の多くが高齢者なのに対して、フィリピンからの移民は若い人が多く、子供を持ちやすい点を挙げています。
人口の多いグループの上から二位と三位をフィリピン系、日系が占めるハワイ。
ハワイのアジア系人口は全人口の37%を占め、白人の23%を大きく上回っています。
ハワイはアメリカの一部ですが、一般的な日本人がイメージするアメリカとはだいぶ違う風景を持つ地なのかもしれません。
ちなみに小錦やカメハメハ大王で知られるハワイ原住民系の人口は、いまや全体の6%程度にすぎないそうです。
https://www.quora.com/Why-does-Hawaii-have-a-high-Japanese-population
http://www.pewresearch.org/fact-tank/2015/04/06/native-hawaiian-population/
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