10年ほど前、中国が発展してきたことが日本でも話題になるようになってきた頃、中国で自殺が急増しているというニュース番組の特集を見たことがあります。
改革、解放で経済発展するにつれ、仕事と責任に追われた中国人の自殺が増えていること、主人公の中年男性が仕事に追い詰められ、最後に自殺した連続ドラマが大変な高視聴率を稼いだことが報じられていました。
日本も過労死とか問題になってるけど、国が豊かになるほどプレッシャーは避けられないんだろうなあ、とぼんやり思ったものです。
しかし、驚いたことに中国では今、自殺率が下がったことが話題になっているといいます。
本当でしょうか?
そこで世界保健機関(WHO)による年齢調整自殺率(2015年以降版)の調査から、アジアの国の自殺率を抜粋してみてみましょう。
アジアの順位 | 世界の順位 | 国名 |
1 | 1 | スリランカ |
2 | 3 | モンゴル |
3 | 10 | 韓国 |
4 | 24 | インド |
5 | 26 | 日本 |
6 | 28 | 北朝鮮 |
7 | 37 | ラオス |
9 | 44 | カンボジア |
10 | 46 | タイ |
11 | 59 | ブータン |
12 | 112 | シンガポール |
13 | 115 | 中国 |
14 | 126 | ネパール、ベトナム |
ちなみに参考として挙げると
54位フランス 48位アメリカ 123位イギリスです。
インドやスリランカといった南アジア、そして日本と朝鮮半島を除くと、アジアの自殺率は全般に低めと言えるかもしれません。
モンゴルは2012年の同じ調査では世界70位だったと見たのですが、何があったんでしょうか・・・
今やアジアで一番の先進国といえるシンガポール、日韓同様に受験や競争が厳しいと聞いていましたが、112位と意外な低さです。その一方で、「幸福の国」として知られるブータンが意外な高さかも。
さて、中国の自殺率の推移、 10年あまりの間は以下のようなグラフになるようです。
中国では過去、農村の女性の自殺が多かったのですが、地方の女性が都市に働きに出る機会が増えるとともに、自殺率も下がっていきました。その減少率は9割にもなるそうです。
しかし、その一方で教育熱や競争の激しさに伴う思春期の子供の自殺率は社会現象になりつつあるといいます。親に成績のことで叱られて自殺する子供が増えているようです。
http://epaper.jinghua.cn/html/2014-05/14/content_89092.htm
http://edu.sina.com.cn/zxx/2014-05-14/0820418359.shtml
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