日本人のY染色体ハプロタイプ、いわゆるD2(2014年以降はD1b)やO2bといった遺伝子情報にまつわる話題は、日本人のルーツを科学的に考えたい方にとって欠かせないものですね。
日本の研究者、知識人の間では、日本は多様な遺伝子系統がが入り乱れた国であるといわれています。
縄文と古代文明を探求しようというサイトによると、現在の日本人のY遺伝子の分布状況は以下のようになっているそうです
東京 C1:1% :C3:2%、D2(D1b):40%、 O2b:26%、 O3:14%
徳島 C1:10% C3:3%:D2(D1b):36%: O2b:33% O3:21%
九州 C1:4% C3:8% D2(D1b):28% O2b:34% O3:24%
東京、徳島ではD2(D1b)が最大勢力で九州に行くとO2bが最大勢力であるという事です。またいずれの地域もD2、O2b、O3で8割を占めています。
(※この数値とは違うデータも存在します。くわしくは「縄文人に最も近いのは韓国人?!ハプロタイプDの謎」)
一般的に、D2(D1b)は縄文人由来の遺伝子であると考えられていますね。
参照元である「縄文と古代文明を探求しよう!」では、中国、韓国の遺伝子についても以下のように取り上げています。こちらも日本国内でよく目にする情報です。
日本では3つの主要な遺伝子系統が分散しているのに対して他の地域では多くて2つ、極端には1つの遺伝子に統合されています。
事例を紹介します。
以下は華北、台湾、朝鮮です。華北 C3:5%、 O1:0%、 O2b:2%、 O3:66%
台湾 C3:1%、 O1:69%、 O2b:0%、 O3:7%
朝鮮 C3:11%、 O1:3%、 O2b:36%、 O3:38%華北や台湾はほとんど1つの系統、朝鮮でも主流は2つです。このように日本のような多様な分布を見せないのが世界の標準なのです。(略)
・・・(日本は)多様な遺伝子系統が並存する事のできた珍しい国である
・・・このような情報、論説は日本国内のあちこちで見ることができます。
私も中国語ができなかった頃は、中国人の遺伝子情報について、この日本人の間に広まっている華北、台湾、あとせいぜい雲南ぐらいのデータしか知りませんでした。
けれど、実際のところ中国の歴史はいろいろな民族がいりまじったものですよね。
そして中国が自国の国民の遺伝子を調査してないはずがありません。
以下のグラフは、中国国内で知られている各地のY-DNAハプロタイプ一覧です。日本人のルーツに興味がある方にとっても、興味深いものではないかと思います。
http://tieba.baidu.com/p/1863026253?pn=1より
一般的に中国人に最も多い遺伝子はO3だといわれています。確かに華北はO3(黄色)の割合が多いですね。
そして最もO3の割合が少ない地域は江蘇省(江苏)、そしてそれに含まれる上海地区です。40~45%程度でしょうか・・・ちなみに西日本のO3の割合は20~25%ほどです。
「日本皇室は中国の呉の王族の末裔なのか」「秀吉が中国皇帝の娘を日本の皇后にしようとしたってホント?」で触れた、
過去の日本人がその子孫だと主張していたという文献がある、中国の古代国家、呉があったのも、その江蘇省周辺だとされていますね。
以下のようなニュースも存在します。
【1999年(平成11年)3月23日、中日共同調査団が発表、 「弥生人」の起源は江南地方か】
共同通信によると、日本に稲作を伝えたとされる渡来系弥生人の人骨と、長江(揚子江)下流域の江蘇省で発掘されたほぼ同時期の人骨の特徴がよく似ており、DNA分析で配列の一部が一致する個体もあることが、18日までの中日共同調査団の調査で分かった。
(略)
江蘇省の人骨三十六体からDNAを抽出し分析した結果、春秋時代の三体でDNAの塩基配列の一部が弥生人のものと一致したという。http://ameblo.jp/taishi6764/entry-12059451280.html
・・・中国も日本に劣らず、多様な遺伝子が入り混じった国なんですね。
また台湾人のDNAも、上の表を見ると、日本に広まってる情報と違って、かなり多様なようです。
日本の割合と比較してみるのも面白いかもしれません。
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