英語圏では、アメリカ軍人とアジア女性の間に生まれた子供をアメラジアン(Amerasian)といいます。
広義にアメリカ人とアジア女性の間の子を指して使われることもありますが、一般的にはそうです。
日本人とのハーフも、フィリピン人や韓国人とのハーフも、父親がアメリカ兵ならば、すべて「アメラジアン」です。
父が黒人でも、白人でも、ヒスパニックでも、同じです。
なので黒木メイサさんや羽賀研二さんはアメラジアン、
祖父がアメリカ軍人だったといわれている浅野忠信さんや安室奈美恵さんは親がアメラジアンということになります。
なぜアメラジアンは多いのか?
なぜ、よく使われる「ハーフ」とは別に「アメラジアン」という呼称があるのでしょう?
それは、彼らがとても多いからです。
20世紀は太平洋戦争、朝鮮戦争、ベトナム戦争と、アメリカ軍がアジアに赴く戦争が繰り返しありました。戦争後も、日本のようにアメリカ軍が駐留し続けている国もあります。
結果、米兵と現地女性とのハーフの子供が、アジアのあちこちで生まれることになったのです。
アメラジアンは日本、韓国、ベトナムに多くみられます。そしてダントツに多いのがフィリピンです。
英語版wikiによると、フィリピンでは貧しい女性がアメリカ兵と関係して未婚でハーフを産む傾向にあるそうです。そのため厳しい環境で、放置されて育つ子供が多いとあります。特に黒人のアメリカ兵との間のハーフの子供は差別を受けがちだとあります。
平等でないアメラジアン 日米ハーフは?
アメリカに優遇されたベトナム戦争ハーフ
1960年代に起きたベトナム戦争で、米兵と南ベトナムの女性との間に多くのハーフが誕生しました。
ベトナム戦争の時期は、ちょうど公民権運動でアメリカ社会がリベラルの方向に変わりだした時期でした。以降、白人と有色人を隔てる露骨な人種差別は違法とされるようになっていきます。
そうした社会変化の影響か、1982年、アメリカ議会は
ベトナム、韓国、ラオス、カンボジア、タイのアメラジアンの子供は、父に捨てられた場合でもアメリカに移住してよいと決定します。
ベトナムでは「(アメリカハーフの子が)黄金の子供になった」などといわれたそうです。
タイが認められたのは、ベトナム戦争のときにアメリカの基地があったためだそうです。韓国もベトナム戦争でアメリカ軍を支援したことはよくしられてますね。
ベトナムの隣国だったラオスとカンボジアも、アメリカ軍の影響をいやおうなしに受けました。
(関連記事:「アメリカ頼みの戦争の末路 日本人なら絶対に知っておくべきベトナム戦争(後)」)
母親が日本人とフィリピン人の子は除外
この1982年の法で認められた国々の中に、日本とフィリピンは入っていません。
ベトナム戦争当時、フィリピンもアメリカ軍の基地がありました。アメリカ兵がベトナムから撤退する際、多くがフィリピンの基地からアメリカに帰国したぐらいです。日本の基地もベトナム戦争時に利用されましたね。
なぜフィリピンと日本の女性が産んだアメラジアンは除外なのか・・・
フィリピンでは、この点に関して不公平感を持つ人もいるようです。
日本では不満を持つ以前に、そもそも1982年の法を知らない人が多いですよね。
私も今回知って、びっくりしました。
フィリピン人を母に持つ子も、アメリカ人の父が認知し申請すればアメリカ市民になることができます。それを行う男性はあまり多くないそうですが。
日本でもハーフの子供がアメリカ国籍を得るには父親の認知が必要なようです。
・・・アメリカからみて、タイや韓国は、日本やフィリピンと違うカテゴリの国だということかもしれませんね。
日本にあるアメラジアンのための学校
We all have cards we ! MTG club at AmerAsian School in Okinawa. Thanks for the donations folks. Always in need of more MTG stuff and volunteers. PM me! #mtg #MagicTheGathering pic.twitter.com/Io3543oaSx
— 𝕋𝕙𝕖 𝕌𝕟𝕔𝕠𝕞𝕞𝕠𝕟𝕤 (@uncommonsgaming) June 25, 2019
日本において、アメリカ人とのハーフは、芸能人から漫画などのコンテンツに至るまで幅広く目にする存在です。
しかしアメラジアンという表現には、なぜかあまり馴染みがありませんね。
英語圏の検索エンジンで「amerasian Japan」と検索すると、意外にも沖縄にあるアメラジアンのための学校が上位にヒットします。
沖縄の宜野湾市にアメラジアン・スクールがあるのです。英語と日本語の両方で授業を行っています。
スクールといっても校舎はなく、公共施設を間借りして教室にしています。
卒業すると日本の小中学校を卒業したのと同じ資格が得られるそうです。
3月4日はフィリピンのアメラジアン団体によって、アメラジアンの日と制定されています。彼らは、その日を国際的にもアメラジアンの日にしようと活動を行っています。
https://en.wikipedia.org/wiki/Amerasian
http://www.news24.jp/articles/2019/06/14/07450974.html
https://jdenostipsandmore.blogspot.com/2011/07/amerasian-filipino-and-japanese.html
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/260722