敵対相手をヒトラーに例えるのは近年、世界のあちこちで見られる現象ですね。
ドイツのメルケル首相や安倍総理も、そうした攻撃を受けたことがあります。
そんな著名人の中に、最近トランプ氏も加わりました。
トランプ氏の言動をヒトラーのそれと重ね合わせたCMが今、話題を集めているのです。
しかも、そのCMの制作会社はブッシュ大統領の側近だったメンバーはじめ、共和党の中でも保守的な人々が中心になっています。
https://youtu.be/TPRI9AmyVvY
CMの主旨はともかく、最後のハーケンクロイツのロゴのデザインはちょっと秀逸と思ってしまいました。
このCMのみならず、トランプ氏に対するヒトラーへの連想は今、英語圏の多くの人の間で広がっているようです。
アメリカのYahooの検索エンジンだと、"Trump hi"と入力しただけで、候補がこんな結果です。ヒトラー"Hitler"と入れなくても、"hi"だけでですよ。
Geogleでも大差なし
うーん、でもトランプ氏とヒトラー、あんまり似てないと思うんですけどね?
30年ほど前の新人物往来社の雑誌で読んだのですが・・・
ヒトラーは女性人気がすごくて、彼に投票した層も女性が多かったといいます。
その人気を守るために、彼は愛人エバ・ブラウンと死の直前まで結婚しなかったそうです。
あとヒストリーチャンネルで見たところでは
ナチスは金髪碧眼の”アーリア人らしい”容姿を持つ、
選ばれたナチス党員の若者同士に乱交のようなことをさせて
たくさんの"選ばれた血統の子供たち"を得たそうです。
ナチスは、そうして身籠った女性たちに、その子を"ヒトラー総統の子"だと思って喜んで産むよう指示していたといいます。
その幼児たちを集めて英才教育を受けさせたはずが、
実際には愛情を与えられなかったゆえ?に虚弱な子供ばかりになってしまった話は、 日本でも少し知られてますね。
(関連記事:「ヒトラーの子供たち レーベンスボルン出身者の天国と地獄」)
うーん、近年の日本でたとえるならナチスって
アイドル信仰とオウム真理教の混じったような熱狂だったかもしれません。
若い妻をもち、孫もいる、おじいさんのトランプ氏への人気は、ヒトラー人気とは表面的に似てる点があったとしても、根本はだいぶ違うと思います。
トランプ人気はイデオロギーによる団結の限界?
アメリカはご存知のとおり移民の国です。
民主主義、資本主義のイデオロギーさえ受け入れるなら、どのような民族でも受け入れるというスタンスで成り立っています。
世界で、これほど国民のバックグラウンドがばらばらの国はないでしょう。
歴史のベースこそアングロサクソンですが、
移民が増え、民族が増えるにつれ、
血や伝統ではなく概念で人々が結びついている人工的な国家の側面が強くなっているわけです。
移民が増え、国力が増すほど、泥臭い「アメリカらしさ」は霧散し、根なし草になっていく・・・
移民国家というアイデンティティに疲れてしまった―――
アメリカ国民にイデオロギー以上の共通項や連帯感がほしい―――
トランプ氏を支持しているのは、そんな古くて新しいアメリカを求める人たちなのかもしれません
それにしても新人物往来社って社名なくなっちゃってたんですね。知らなかった(^_^;;)
ttp://dailycaller.com/2016/03/14/republican-politicos-launch-ad-comparing-donald-trump-to-hitler/