今年はアメリカ大統領選ですね。
共和党の有力候補、トランプ氏が世界中で注目を集めています。過激な発言が特徴の彼を、本命ではないお騒がせ候補とみる意見が日本では多かったのですが、予備選で勝ち続けてる現状はその予想を覆しそうです。
その強烈な個性ゆえに、アメリカ本土でも多くの人を惹きつける一方、多くの人の強い反発も呼んでいます。共和党内でさえトランプ氏の人気に失望してる保守層は少なくありません。
昨年の秋には英国のエリザベス女王にこんな手紙を書いたアメリカ市民さえ現れました。共和党の討論会を受けてのことです。
「どうかアメリカをイギリスの植民地に戻してください」
”I beg of you, make the United States of America a colony of the United Kingdom”"the options we have to lead us aren't up to par."
"For further reasons as to why this is such a necessary,albeit drastic,step.I refer to tonight's Republican Party Pimary debate.Thank you.God save the Queen"
我々の指導者を選ぶ選択肢にあるものは標準以下である。女王に再びアメリカを植民地にしてほしい。今夜の共和党の討論会を見てその必要を感じた―――
手紙の主旨はこういったところです。
アメリカを頼りに思ってる日本人にとっては、ぽかんとしてしまいそうなほど情けない内容に見えるかもしれません。しかし、こうした"親英派"(American Anglophile)はアメリカに少なくないのです。
アメリカで royal family といえば普通に英王室を指します。他の国の王室に対してはswedish royal(スウェーデンの王室の)、spanish royal(スペイン王室の)などとつけますが、英王室だけはroyalだけで通じるのです。昨年のシャーロット王女誕生もアメリカのマスコミは大きく報じています。
日本のマスコミで遠いヨーロッパの英王室が多く取り上げられるのも、アメリカの影響かもしれません。
さて、この親英派アメリカ人の手紙に対して英王室から返事がきました。バッキンガム宮殿のスポークスマンも、ほぼ本物で間違いないと認める返事です。
「あなたの意見を女王は心にとめました。けれど、女王が他の独立国の情勢に介入することはありえません」
("Whilst your views have been noted, you will appreciate, I am sure, that there can be no question of The Queen intervening in the affairs of another Sovereign state")
この返事がアメリカの巨大掲示板Redditで公開されたところ、240万の閲覧があったそうです。
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