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教育勅語を生んだ幼学綱要をめぐる衝突

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幼学綱要とはどんなものか、ご存知でしょうか。

幼学綱要:修身教育書。儒教での徳目を例話や画を交えて説く。宮内省より全国の学校へ配布。のちの教育勅語の基となった。

weibo辞書より抜粋

知名度は低いですが、教育勅語とのかかわりを知れば、どれほど日本にとって重要な書かわかります。明治期、この書の採用の裏で、儒教派と西洋文化派の対立がありました

一方は儒教教育を掲げ、文明開化に批判的だった熊本藩士、元田永孚(もとだ ながさね)。幼学綱要の著者です。

対するは、キリスト教徒であり、日本語を廃止して英語を採用しようとした薩摩藩士、森有礼(もり ありのり)。福澤諭吉とも親しかった人物です。また伊藤博文も元田の方針に否定的で対立していました。

結局、明治天皇は儒教側を採用し、元田の幼学綱要が大日本帝国の教育の基本になりました。

 

西洋化のおかげだけでは今の日本はなかった

個人的には、元田側が採用されて本当に良かったと思います。

なぜなら、西洋的な道徳教育を行ってる欧米以外の地域は世界にたくさんあり、その殆どの地域が成功していない、または短い成功で終わっているからです。

アフリカ、南米、中東にも欧米同様に、キリスト教の教えを道徳にしている国はたくさんあるのです。東南アジアでもフィリピンはキリスト教徒が多くて有名ですね。

こうしたキリスト教化された有色人の地域は、おおむね民族の生んだ伝統文化の教育に積極的ではありません。エリートになるほど西洋の言語、西洋の教育、西洋の価値観の影響が強いのです。

植民地支配の過去への怒りから欧米/白人排斥の歴史を持つ地域が多いものの、自力で生み出せる文化が貧弱なので、結局、西洋文化に頼らざるをえないのかもしれません。

幸い、私たちの東アジアには先祖が伝えてきた高度な文化があります。

こういうと、首をかしげる人も多いかもしれません。

たしかに東洋文化圏の人々は西洋人と違い、大航海をして未知の地を開拓しようという冒険心は持ち合わせていません。その知恵も至って地味で、内に向かいがちなものです。

けれどグローバル化が進み、他文化と比較される機会が増えるにつれ、東洋文化への世界的な評価は高まってきています。勤勉さ、教育熱、節度を失わない哲学、模倣の後の発想力――脅威を感じる欧米人さえ少なくありません。

 

西洋文化は西洋人の西洋人による西洋人のための文化

「でも東アジアは欧米に劣ってるじゃないか。欧米は長い間、東アジアより繁栄している。それは欧米のほうが良い方法を採用してるからじゃないか?」
――そう考える人もいるでしょう

確かに、欧米先進国は成功しつづけています。
私が考えるに、それは彼らがどこの真似でもない、彼ら自身の先祖から受け継いだ文化を守ってるからなのです。彼らは元田永孚の主張と同じことをやっているのです。自らの血と魂に文化の源がある。だから、壁にぶつかっても試行錯誤しながら適切な方法を生み出せる。

西洋の方法を真似れば上手くいくならば、日本よりずっと忠実に自国を西洋化してきたフィリピンも中南米も、皆うまくいってるはずなのです。

 

脳内で分泌されるドーパミンの量をはじめ、欧米人と私たち東洋人は遺伝子レベルで違います。

犬や猫でも地域によって毛が長かったり、体が大きかったり、気性が温和だったりと体質、性質の差があります。

長い毛の犬が好きだからと、柴犬に長毛犬種用のシャンプーを用いても、それは洗い手の自己満足にしかなりません。遠い異国が生んだ犬種に憧れても、手元にいる愛すべき犬は柴犬なのですから、柴犬に合ったケアを考えるべきなのです。

日本は西洋に憧れるあまり、先祖から受け継いだ貴重な宝をあやうく手放してしまうところでした。今後は薄れてしまったそれを、再び少しずつ厚くしていかなくてはいけません。

 

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